労働者派遣法改正についての懸念するべきポイント

労働者派遣法改正についての懸念するべきポイント

労働者派遣法が改正されました

奈良にある社労士事務所、ツカモト労務管理事務所です。

改正前においては、一般労働者派遣事業は許可制、特定労働者派遣事業は届出制でしたが改正によりすべての労働者派遣事業が許可制になりました。

1 特定労働者派遣事業

経過措置として

  • 施行日時点で特定労働者派遣事業を営んでいる方は、引き続き、3年間は「その事業の派遣労働者が常時雇用される労働者のみである事業」を営むことが可能です。
  • 施行日時点で一般労働者派遣事業を営んでいる方は、その許可の有効期間の間は、引き続き、事業を営むことが可能です。
  • 施行日前にした許可・更新申請で、施行日時点でまだ決定がなされていないものは、新法に基づく申請として扱われます。

現在の労働者派遣事業の内訳としては、全7.5万事業所のうち、一般が24%、特定が76%となっています。また、派遣労働者は近年減少傾向にあり全雇用者5,240万人のうち約2%、非正規雇用労働者約38%のうちでは約6%となっています。
「資料出所:総務省 労働力調査(詳細集計)」(平成26年平均)

派遣労働者の減少は、同じ非正規雇用でありながら、契約社員やパート、アルバイトへの移行が行われていることが原因の一つと思われます。一方派遣社員の需要は増加しており、効率化を求める雇用主側が正社員から派遣社員化をすすめている事が背景にあると考えられます。
よって多くの派遣会社が人材確保に苦労している状況にあると思われます。

2 期間制限

改正前においては業務によって異なる派遣受入期間の制限「26業務は制限なし。それ以外は、上限を原則1年(最長3年)とする」を見直す事となり、施行日以後に締結及び更新される労働者派遣契約では、すべての業務に対して、派遣期間に以下の2種類の制限が適用されます。

  1. 派遣先事業所単位の期間制限
    同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。派遣元は上限に達する派遣労働者に雇用安定措置(派遣先に直接雇用の依頼等)を講ずる。
  2. 派遣労働者個人単位の期間制限
    同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は、原則、3年が限度となります。

但し、①及び②共に過半数組合等への意見聴取により延長可。例外として派遣元で無期雇用されている派遣労働者と60歳以上の派遣労働者などについては上記2つの期間制限の対象外となります。

3 派遣労働者の均衡待遇の推進

改正前は、派遣元に対し、同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ、賃金決定や教育訓練、福利厚生を実施する配慮義務及び派遣先に対し、同種の業務に従事する派遣先の労働者に関する情報提供等の努力義務が規定されていましたが、改正後においては現行の規定に加え、派遣元に対し、派遣労働者の均等待遇の確保の際に考慮した内容の説明義務及び派遣先に対し、同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金の情報提供、教育訓練、福利厚生施設の利用に関する配慮義務が追加されました。

4 派遣労働者のキャリアアップ

  • 改正により追加された規定で、派遣元に対し、計画的な教育訓練やキャリア・コンサルティングを義務付け(実施内容を厚労省に毎年報告)されました。
  • 許可要件に「キャリア支援制度を有する」を追加
    派遣先に派遣労働者の職務遂行状況や、職務遂行能力の向上度合などの情報を提供する努力義務があります。
  • 雇入れ努力義務
    派遣労働者を受け入れていた組織単位に、派遣終了後、同じ業務に従事させるため新たに労働者を雇い入れようとする際、一定の場合には、その派遣労働者を雇い入れるよう努めなければなりません。
  • 正社員の募集情報の提供義務
    派遣先の事業所で正社員の募集を行う際、一定の場合には、受け入れている派遣労働者に対しても、その募集情報を周知しなければなりません。
  • 労働者の募集情報の提供義務
    正社員に限らず、派遣先の事業所で労働者の募集を行う際、一定の場合には、受け入れている派遣労働者に対しても、その募集情報を周知しなければなりません。

私見

企業が派遣労働者を求めるという事は、派遣労働者が結局のところ企業の繁忙期における雇用の調整弁という役割を担う事が期待されており、それは企業が正規社員を雇用維持する事が難しい状態にあり、つまりは現在の日本経済の不安定化がその背景にあると思われます。とすると、雇用形態の観点からみればやはり日本経済は不況にあるのだと思わされます。
また、期間制限については、現在専門26業務で長く働いてきた派遣労働者に対する雇止めが行われる危険率が高まり、派遣労働者を気兼ねなくすぐ切ることができるという労働環境を推進させるのではないかという可能性を私は払拭する事ができません。今後の動向については、慎重に観測して行く事が要求されると思われます。
さらに現行の努力義務に加えて派遣労働者を保護するためのいくつかの義務規定が追加されましたが、効果の程は努力義務とさほど違いがないと思われます。今回の改正は、どちらかと言えば企業優位の改正であり労働者の流動化がさらに進む事が予想されます。カンフル剤のように一時的な経済効果は期待できそうですが、長い目でみると痛い目にあいそうな気がしてなりません…。

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